【債務整理】 個人再生手続きを行う場合の返済方法・返済額は?
札幌の弁護士による債務整理解説コラム第13回です。
前回(個人再生手続きで手元に残せる財産は?)は個人再生手続きの場合に、一定の財産が残せることを見てきました。
具体的には、個人再生手続きでは、「返済する金額までの価値の財産」を手元に残せるということを具体的に説明してきました。
今回は、個人再生手続きで負債を減額してもらった後、実際にはどうやって返済していくのかを取り上げていきます。
さて、個人再生は、負債を大幅に減額して、その金額を予定通り支払えば、残りは全額免除になるという制度です。
返済額の基本的な計算は、「個人再生手続きとは ~債務は払えないけど破産を避けるには」で説明しましたが、たとえば負債が500万円以内の方は、合計100万円を返済すればよいことになります。
では、その場合、その100万円をどのように返済していけばいいのでしょうか。
個人再生手続きの場合、実は、返済期間は3年間とするのが基本となります。ただし、3年ではどうしても厳しい場合などには、最大5年までのばすこともできます。
3年から5年ですから、36ケ月から60か月の期間内で返済するということです。
そして、基本的には毎月均等額の返済をしていくことになります。
では、実例を少し見てみましょう。
Aさんは、消費者金融3社から次のような借金がありました。
- X社 60万円
- Y社 90万円
- Z社 150万円
これで合計300万円です。この場合、負債が500万円以内ですので、この300万円の負債を100万円に減額します。要するに、3分の1だけ支払えば、残りが免除されることになります。
そこで、借金全体が3分の1になりますので、3社に対する借金も3分に1ずつになります。
- X社 60万円 → 20万円
- Y社 90万円 → 30万円
- Z社 150万円 → 50万円
ここで、こうして減額した借金を、3年間=36ケ月かけて返済することにします。そうすると、3社に対して、36ケ月間、毎月一定額を支払っていくことになりますので、それぞれの返済額を36ケ月で割ります。
- X社 20万円 → 5555円 → 5600円
- Y社 30万円 → 8333円 → 8400円
- Z社 50万円 → 1万3888円 → 1万4000円
端数が出る部分は、少し切り上げてわかりやすい金額にしました。これで返済プランが出来上がります。
3社にそれぞれ、5600円、8400円、1万4000円ずつ支払いますので、これを合計し、毎月2万8000円が返済額になります。
これを36カ月間支払い続け、無事に100万円を支払いきった時点で、借金はすべてゼロになり、債務整理が終了となります。
なお、返済額が合計100万円だと、3年間で返済する場合にはだいたい毎月2万8000円程度、4年間で返済する場合は毎月2万1000円程度、5年間で返済する場合には毎月1万7000円程度を返済する計算になります。
しかも、個人再生の場合には、利息もかかりませんので、5年間まで期間をのばせば、返済は相当に楽になります。
しかし、その反面、期間が長くなればなるほど、失業や病気などの不測の事態が生じる危険も増すため、可能な限り、短い期間で済ませる方が問題が少ないといえるでしょう。
個人再生の場合の具体的な返済プランを見てきましたが、いかがでしょうか。個人再生にはかなりのメリットがあることがおわかりいただいたのではないかと思います。
個人再生を利用するほとんどのケースは、借金額が500万円以内で、圧縮した100万円を3年間で返済するパターンです。
この場合、毎月3万円程度の返済額を用意できれば、個人再生によって借金をすべて清算することができるのです。
借金全額を返すのは難しいけど、破産は避けたい・・・そういう方には個人再生が適切といえるでしょう。
個人再生にはいろいろな条件がありますが、これを使って借金を清算したい、と思った方はぜひ一度ご相談ください。
個人再生が利用できるかどうかや、おおまかな返済プランをご説明いたします。
ご相談の申し込みは、こちらのお問い合わせページからお願いします(債務整理は相談料無料です)。
今回はここまでになります。
次回以降も、個人再生について取り上げていきますね。
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