債務整理に役立つ実践的な情報をまとめました
このブログでは、札幌の弁護士が、弁護士としての知識・経験にもとづいて、債務整理の際に生じる問題について実践的な情報を提供しています。
債務整理、借金問題全般にかかわる問題や、破産、個人再生、任意整理のそれぞれの手続きなどについて、広く取り扱う予定です。
なお、特に破産や個人再生の場合、弁護士に依頼しないまま、ご本人で対応をとることは困難です。任意整理でも、弁護士に依頼した方が適切なケースが多いでしょう。借金問題でお悩みの方や、もう支払いが約束通り続けられないという方は、まずは弁護士に相談することをお勧めしています。
当事務所では債務整理のご相談は無料で対応しておりますので、お困りの方はご相談ください。
これまでに公開した債務整理に関する記事の一覧をまとめていますので、興味のありましたらご覧ください。 今後も適宜、追加していく予定です。
【法律コラム】
6 破産すると住宅はどうなる?すぐに出ていかないとならないの?
11 個人再生手続きとは ~債務は払えないけど破産を避けるには
【解決事例】
離婚に役立つ実践的な情報をまとめました
このブログでは、札幌の弁護士が、弁護士としての知識・経験にもとづいて、離婚の際に生じる問題について実践的な情報を提供しています。
離婚問題は、弁護士に依頼しないでご本人で解決する方も多いですが、調停や裁判などに発展した場合には、ご本人のみで対応するのは大変です。特に相手に弁護士がついた場合には、こちらの弁護士を立てる必要が大きいでしょう。
離婚問題は人生の中でももっとも大きな問題の1つですので、あとで後悔しないよう、弁護士に相談して適切なアドバイスを受けることをお勧めしています。当事務所でも離婚問題は数多く扱っていますので、お悩みの方はお気軽にご相談ください。
以下に、これまでに公開した離婚に関する記事の一覧をまとめていますので、興味のありましたらご覧ください。今後も適宜、追加していく予定です。
【法律コラム】
13 親権のない親が子どもに会う権利はある? ~面会交流とは~
21 住宅ローンが残っている場合の財産分与はどうしたらいい?
【解決事例】
1 不倫した夫に離婚調停を申し立て、慰謝料や養育費の支払いを受けた事例
2 夫の暴言を理由として離婚調停を申し立て、離婚が成立した事例
必ず母親が親権を得る? - 親権者の決め方は
札幌の弁護士による離婚解説コラム第8回です。
前回(弁護士に依頼するタイミングと報酬は?)で予告しましたが、今回からは離婚時の子どもをめぐる問題について見て行きます。
子の問題の入口として、今回は親権者の決定について考えましょう。
夫婦が離婚するときに未成年の子どもがいるときは、必ず親権者を決めなければなりません。
どちらが親権を得るかを決める際の基本的な方法は、お互いの話し合いです。
協議離婚の場合などは、話し合いで親権者を決め、離婚届に親権者を記載します。実際上は、母親が引き取ることが多いと思いますが、もちろん父親が親権者になっても問題ありません。
しかし、離婚調停や離婚裁判に発展する場合、慰謝料などの金銭的な問題だけではなく、親権問題が中心的な問題になるケースも少なくありません。そのような場合、最終的には裁判所がどちらが親権者となるかを審判や判決という形で決定します。
当事者は、その決定に不満があっても、それに従わなければならないのです。
それでは、裁判所はどのような基準で親権者を決めているのでしょうか。
親権が問題となると、相談者、依頼者から、「親権は母親が得ることになりますよね」「父親が親権を希望しても無理ですよね」といったことを言われることが非常に多いです。
確かに、実際の事例では、裁判所も母親を親権者として認めるケースが圧倒的に多いといえます。また、社会の考え方としても、特に子どもが小さいうちは、母親が育てていくという見方が強いように思います。
しかし、必ず母親が親権を得ると決まっているわけではありません。当事務所で扱った事例でも、父親に親権が認められたこともありました。
ですので、母親側としても、ただ母親というだけで親権が得られるわけではありません。父親側としても、親権が絶対に認められないというわけでもありません。
どのような場合に親権が認められやすいかをしっかり理解しておくことが必要です。
親権者を決定する基準を一言でいえば、どちらを親権者とすることが「子どものため」になるかです。
これは、単純に子どもの希望がどちらかによって決めるわけではなく、お互いの生活環境なども重視されます。
よく問題となる点について、簡単に説明していきます。
① 父母の生活状況、監護体制
子どもが引き取られた場合の監護体制(子どもを生育できる体制のことです)は重要な問題となります。その関係で、父母の生活状況が問われていきます。
離婚後、父母がどのような場所に住み、どのように収入を得て生活していくかは、子どもの成育環境に影響を与えます。一般には経済力が豊かな家庭の方が子どもの養育にも支障が少ないといえますので、経済力も基準の1つとなります。
それ以外に、父母以外に子どもの面倒をみてくれる人がいるかも問題です。父母の両親などと同居して子どもを育てやすい環境があれば、親権を得るうえでは有利に働くでしょう。
反対に、父母の労働時間が長く、家にいられる時間が少ないうえ、ほかに子どもの面倒をみてくれる人もいない、という場合には、子どもの成育環境としては不十分と評価される危険があります。
② 子どもの生活状況、子どもの意思
子どもの今の生活状況を確認することも重要です。たとえば、現在就学中で、母の自宅からもともとの小学校に通学している場合で、父に引き取られたら転校しなければならないという事情があれば、子どもの現在の環境を変更させるよりは、母を親権者として現在の生活を維持させる方が子どもの利益になるかもしれません。
また、子どもと父母の関係は非常に重要です。極端な場合ですが、親の一方が日常的に子どもに暴力を振るっている場合、その親が親権者とされる可能性はほぼ無いでしょう。父母の優劣をつけるべきではありませんが、少なくとも子どもが親しみを感じていることが親権者の条件となると思います。
なお、子どもの意思も考慮されるといいますが、ここでいう「子どもの意思」は、子どもが「○○の方がいい」といったかどうかという問題ではありません。子どもも両親のことを考えたり、周囲の目に配慮しますので、父母のどちらと一緒に暮らすかという段階で本音を言うことは難しいのです。
ですので、子どもの意思は、家庭裁判所の調査官や裁判官が子どもの態度、表情や生活状況などから子の本心をくみ取って判断しているのです。
③ 離婚の原因がどちらにあるか
たとえば、母親が不貞行為を行ったことが離婚の原因である場合、親権に影響するでしょうか。
基本的には、それだけで親権を得ることが不利になるわけではありません。離婚の原因がどちらにあるかという点と、子どもの幸せのためにはどちらが親権者になるべきかという点は、別の問題だからです。
しかし、たとえばその母親が不貞行為の相手方と同居して暮らしていこうとする場合は、その不貞行為の相手とも子どもが同居することになりますので、それが親権の判断を左右する可能性はあります。子どもが父親になついており、不貞行為の相手方に拒絶反応を示すような場合は、母親に親権を認めるうえで障害になるでしょう。
親権の判断では、これらのような事情が問題となってきます。
これらを踏まえたうえで、最終的に、子どもの親権者としてどちらが適切であるか、子どものためになるのはどちらかを判断していきます。
ですので、親権を得たいと希望する側は、子どもを引き取った場合の生活環境をあらかじめ整えておいたり、両親などに協力を求めたり、職場の理解を得ておくなどの対応をしておく必要があります。
子どもの親権を得たら考えます、という考えでは、裁判所から本気で子どものことを考えていないと思われてしまう可能性も否定できませんので、注意が必要です。
なお、子どもの親権問題に関連して、「子どもの連れ去り」の問題があります。
親権を得るためには、離婚前から子どもを自分の元で住まわせ、生活環境を整えておいたり、子どもがそこから離れにくくするという既成事実作りを行う方も多く、それ自体は有効な対応であるといえます。
しかし、それを目的として、相手が養育している子どもを勝手に連れてきたり、別居に際して子どもをむりやり引き取っていくという事例も実際にあります。
このような行動は、結局、親として身勝手な行動であり、子どものことを本気で考えていないと判断され、調停や裁判で不利な事情とされることが少なくありません。
特に、他方の親が育てている子どもを一方的に連れ去る行為は、仮に子どもが了解していたとしても、誘拐行為となり、犯罪に問われる危険があります。
実際に、平成17年12月6日に最高裁判所は、夫婦間の離婚トラブル中、母親が自宅で育てていた子どもを父親が一方的に連れ去った事案について、未成年者略取罪(未成年者をむりやり誘拐したという罪)が成立すると判断し、父親を懲役1年・執行猶予4年に処した判決が確定しています。
こういった実力行使は、親権を得る目的で行っていても、結局、不利に働いてしまう可能性が高いことに注意する必要があるでしょう。
実際の事例では、双方が生活状況や監護体制について主張立証をしたり、裁判所の調査官がお互いの生活状況や子どもの意向を調査して、親権者が決められます。
専門家である調査官や裁判所が親権者を決定した場合、その内容に不満があったとしても、子どものためを思って不服を述べないことも少なくありません。
あくまで子どもの今後のためにはどちらが良いかという視点が重要であることを忘れてはならないと思います。
今回は親権について述べてきました。
次回は、夫婦間で非常に関心の高い、子どもの養育費について取り上げたいと思います。
札幌の弁護士が離婚を解説 【離婚に関する実践的情報一覧はこちら】
【債務整理】 破産をすると、家族や職場に迷惑がかかる?
札幌の弁護士による債務整理解説コラム第5回です。
前回(破産の実際の流れを体験しよう!)までで、破産手続きのおおまかな流れをご理解いただけたかと思います。
今回からは、破産手続きを行ううえで問題となる点、弁護士がよく質問を受ける点について取り上げていきたいと思います。
債務整理のご相談を受ける際にかなりの方が不安に思う点として、破産をしたことで、家族や職場などに迷惑がかかるのでないか、というものがあります。
なかには、自分が破産をすると奥さんも破産しないとならないとか、自分が破産する前に離婚しておかないと妻に迷惑がかかる、という心配をお持ちの方もいます。
ごくまれにですが、破産を決意したのでまず離婚してきました、という相談者の方もいらっしゃいます。
このような心配はよくわかりますが、実際にはほとんどの場合、不要な心配なのです。
借金を抱え、支払いができなくなったとき、借りた本人には債権者から当然請求が来ます。
そのときに、本人が払えないなら家族が払わなければならない、家族の財産を処分してでも返済しないとならない、と思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、これは大きな誤解です。
借金は、あくまで借りた本人のものであり、家族であっても、何も契約をしていない人が責任を負うことはないのです。
ですので、ご主人や奥さんが個人的に作った多額の借金があったとしても、家族が支払う義務はありませんし、債権者は家族に請求することすらできないことになっているのです。
もちろん、家族の問題ですので、奥さんやご主人が代わりに払ってあげるということは問題ありませんが、自分から払う義務はありません。
これと同じように、たとえばご主人が破産状態となり、破産手続きをすることになっても、家族には何も影響がありません。
家族が借金を肩代わりすることもありませんし、家族も一緒に破産したことになるわけでもありません。
借金を払う義務があるのも、破産をするのも、基本的にはご本人だけの問題なのです。
奥さんや子どもに影響が出るということもないのです。
実際には家族に内緒のまま破産を申し立てすることもちらほらありますが、それで問題となることもありません。
それでも職場とか、親族とか、子どもの学校とかに破産したことが知られて、肩身の狭い思いをするのではないか、と思う方もいるでしょう。
けれども、このような心配もほとんど不要です。
破産したことは、「官報」という役所の新聞のようなものに記載されてしまいますが、この官報を見ている人はほとんどいません。それどころか、官報というものの存在も知らず、どこに行けば買えるかもわからない人が大半だと思います。
これまで弁護士として多くの方の破産手続きを行ってきましたが、官報を見られて周りの人に破産を知られた、という人に会ったことは一度もありません。
それ以外に、戸籍や新聞に載ることもありませんし、選挙権などに影響が出ることもありません。
自分から言わなければ、職場も、親戚も、子どもの学校も、破産に気づく可能性はほぼゼロといってよいでしょう。
(ただし、警備員など一定の特殊な職業は、破産者が就けないことになっており、そのような職にある場合には退職せざるを得ません。この点は次回以降にまた触れます)
もちろん、自分で事業をされている方や、会社を経営されている方は、会社が倒産となれば取引先や家族も知るでしょうから、その場合には周りに隠すことは難しいでしょう。
しかし、普通の会社員や主婦の方は、周囲に知られる心配も、家族に迷惑をかける心配もほとんどありません。
もっとも、このような方でも、絶対に周囲に迷惑をかけないわけではないのです。実は周囲に影響が出てしまう場合がいくつかあります。
1つは、家族などが自分の借金の保証人になっている場合です。住宅ローンや銀行からの借り入れの際など、保証人を立てていることがあります。
このような場合、借りた本人が破産しても、保証人の責任は消えません。
本人が払えなくなってしまった以上、保証人には残りの負債を払う義務があるのです。そうすると、その保証人には本人が破産したことによって、大きな負担が生じることになります(なお、たとえばその後離婚をしたりしても、その義務は変わりません)。
しかも、破産する方が、この保証人がついている債務だけ支払う、ということは禁止されています。破産手続きでは、すべての債務を免除してもらえる代わりに、一部だけ支払うことも禁止されているからです。一部だけ払ってしまえば、払ってもらえない債権者にとって不公平となるのがその理由です。
そのため、保証人としては、自分で支払いをしていくか、保証人自身も破産などの手続きをするしかなくなってしまうのです。
また、自分以外の人が責任を負う場合としては、相続の場合があります。
借金を抱えた方が亡くなってしまった場合、実は借金も相続の対象となります。
この場合には自分自身が借金をしていなくても、借金を抱えていた家族の負債を引き継ぐことになり、返済の義務が発生してしまいます。
もっとも、この場合は、死亡時から3か月以内に家庭裁判所で相続放棄の手続きを行えば、負債も引き継がずにすみます。
本人以外が義務を負う場合というのは、このような場合にほとんど限られています。
もちろん、本人が破産をしたことで、ブラックリストにのってしまい、家族のためにローンを組んだり、他人の保証人になれなかったりするなどの支障は生じてしまいます。
しかし、破産をしなくとも、約束通りの支払いができなくなればやはりブラックリストになりますので、これは破産だけのデメリットでもありません。
今回みてきたように、破産をすることで家族や職場など、周囲に迷惑をかけることはほとんどありません。
むしろ、債務を精算し、正常な生活を取り戻すことで、家族も安心し、仕事にも専念できるのではないのでしょうか。
こういう場合は周りに迷惑とならないか、こういう点は問題でないか、など、不安な点がありましたら債務整理の経験豊富な弁護士へ相談ください。
今回のように、意外と悩むような問題ではないかもしれませんよ。
次回は、破産の際の住宅問題について見て行きます。
「破産すると住宅はどうなる?すぐに出ていかないとならないの?」へ
札幌の弁護士が債務整理を解説 【債務整理に関する実践的情報一覧はこちら】
【債務整理】 破産の実際の流れを体験しよう!
札幌の弁護士による債務整理解説コラム第4回です。
前回(破産手続きの流れを見てみよう)、破産手続きの概要を見ましたので、今回、実際の例をもとに、破産手続きを一通り体験していきたいと思います。
~弁護士への相談、依頼~
破産手続きの第一歩は、まず弁護士への相談、依頼から始まります。
依頼者「生活に困り、300万円も借金してしまいました。今の給料では、毎月2万円くらいを返すのが精いっぱいなんですが…」
弁護士「そうすると、返済していくのは難しいですね。破産手続きを検討せざるを得ないでしょう」
依頼者「破産手続きというのはどういった手続きなんですか」
弁護士「破産というのは、・・・・・・(説明中)・・・・・・というものです」
依頼者「そうすると、私の場合はやっぱり破産しかないようですね。では、破産手続きをお願いできますか」
弁護士「わかりました」
実際にはもっと時間をかけてやり取りすることになりますが、おおむね、こういった形で、まずは弁護士が相談を受け、状況に応じ、破産手続きによる解決を選択することになります。
~破産申し立ての準備~
破産手続きをとると決めた後、破産申し立てに必要な準備を行っていきます。
弁護士「まず、破産手続きを行うことを、債権者(貸し手)に弁護士から書面で通知しますね。通知を行うと、債権者はご本人に支払いの請求や連絡をしてはいけないことになっていますので、今後は請求が来ることはなくなります。支払いもしなくて結構です」
依頼者「支払いもしないくて大丈夫なんですか。助かります」
弁護士「また、あわせて、債権者に請求額の詳細や請求内容についても問い合わせます。その返答が来るまで、1,2か月かかりますので、少し待つ必要がありますね」
依頼者「わかりました」
弁護士「その期間がありますので、1か月後にもう一度打ち合わせをしたいと思います。その際に、破産申し立てに必要な資料をお持ちいただけますか」
依頼者「どういった資料が必要になりますか」
弁護士「必要資料としては、人によって違いますが、あなたの場合には次のようなものが必要です。まず、一緒に住んでいる家族分の戸籍、住民票は必ず必要です。ご住所は札幌でしたね。そうすると、札幌地方裁判所に破産の申し立てをすることになりますね。
次に、今の収入・支出の状態を報告するために、あなたや家族が得ている収入に関する資料が必要になります。具体的には、給与明細、前年度の源泉徴収票、各種手当・年金の受給証などですね。どれもコピーで構いませんが、あなたの分だけでなく、同居の家族の分もお持ちください」
依頼者「わかりました。妻も仕事をしていますので、2人分の給与明細と源泉徴収票を用意します。そのほかはありますか」
弁護士「現在保有している資産に関する資料も必要です。同居家族分の預金通帳のコピーを提出しないとなりませんね。いまお金の入出金や引き落としなどがある通帳がすべて必要になってきます。お子さん名義の通帳があれば、それも用意していただけますか」
依頼者「通帳ですね。銀行や郵便局がありますので、家族分用意しないとならないんですね」
弁護士「そうです。お願いします。それから、家族で契約している生命保険、医療保険、自動車保険などの保険がありませんか。保険がある場合、契約内容がわかる保険証券と、解約した場合に返還される金額がわかる書類を出す必要があります」
依頼者「私と妻は生命保険、医療保険をかけていて、私の車には自動車保険をかけています。ただ、どれも掛け捨ての保険だったはずですが」
弁護士「それでしたら、掛け捨てだとわかる書類があると助かりますね。どちらにしても保険証券は必要です」
依頼者「あの、破産をすると保険は解約しないとならないんでしょうか。知り合いに頼まれて入っているので、解約はしづらいのですが」
弁護士「解約しても戻ってくるお金がないのなら、解約する必要はありませんよ。ただ、保険料が少し高いので、安くしてもらえると今後の生活が少し楽になると思いますけど、保険自体は残しても問題ありません」
依頼者「そうですか、安心しました」
弁護士「あとは、自動車があるということですので、車検証のコピーが必要です。車の年式はわかりますか」
依頼者「12,3年乗っている古い車です。車も処分しないとならないでしょうか」
弁護士「10年以上経過しているなら、大丈夫かもしれません。価値がだいたい20万円以内であれば残すこともできますので、一応、ディーラーなどで買い取ってもらう場合の査定を受けていただいた方がいいですね」
依頼者「わかりました。すぐにみてもらいます」
弁護士「あなたの場合ですと、必要資料はそのくらいだと思います。1か月後の打ち合わせ時にご持参ください」
依頼者「わかりました。用意する際にわからないことがあったら、お電話してもよいでしょうか」
弁護士「もちろんです。いつでもご連絡ください」
~1か月後の打ち合わせ~
依頼者「指示された資料を用意してきました」
弁護士「ありがとうございます。一通りそろっていますね。では、これをもとに少し確認させてください。まず・・・(打ち合わせ中)・・・」
弁護士「あと、借金が増えてしまった事情も前回お聞きしましたが、この通帳によると・・・(打ち合わせ中)・・・」
弁護士「そういう事情でしたら、負債を抱えてしまったのはやむを得ないといえるでしょう。特に破産手続きに支障が出るところはないようですね。では、これから準備をして、1か月後をめどに裁判所に申し立てをしたいと思います」
依頼者「そうですか、ありがとうございます。今は支払いの請求も来ていないですが、やっぱり早めに解決したいですね」
弁護士「少しお時間をいただきますが、早めに準備を進めておきます。また足りない点があったらご連絡しますね」
~破産申し立て~
弁護士が必要な資料を整理し、必要事項を記入した破産免責申立書を作成して、札幌地方裁判所へ提出しました。
弁護士「お電話で失礼します。本日、準備が整いましたので、裁判所に破産の申し立てを行いました」
依頼者「そうですか、ありがとうございます。このあとはどうなるんでしたか」
弁護士「裁判所が書類を審査し、不足しているところがあれば問い合わせが来ることになります。今回の内容を考えると、書面審査で終わると思いますので、裁判所に出席する必要はないと思います」
依頼者「そうなんですね。では、しばらく待っていればよいということですか」
弁護士「そうなります。おそらく、1,2週間程度で連絡が来ると思いますので、動きがあればご連絡します」
~破産手続き開始決定~
申し立てから2週間ほど経過した日、札幌地裁から破産手続き開始決定が出たとの連絡がきました。
弁護士から依頼者へそのことをご連絡します。
弁護士「いまお時間よろしいですか。裁判所から、破産を認めるという決定書が届きました。破産管財人などをつけないで、書面審査だけで破産を認めてもらえたようです」
依頼者「破産が認められたんですね。安心しました。どうもありがとうございます。これで手続きはすべて終了なんですか」
弁護士「いえ、これから約2か月ほど、裁判所が債権者から意見を聴取するという手続きがあるんです。たとえば債権者からお金をだまし取っていた場合など、債務の免除を認めるべきでない事情がないかを確認するんです。ただ、実際には債権者が意見を述べることはほとんどないですし、今回の場合は特に問題になることはないと思いますから、ただ待っているだけになりますね」
依頼者「その間に特に何もなければ、それで終わりになるんですか」
弁護士「そうです。そうすると、裁判所が免責、つまり債務の免除を認める決定を出してくれますので、それで破産はすべて終了になります」
依頼者「わかりました。では、もうしばらく待っていますので、よろしくお願いします」
~免責決定、破産手続きの終了~
約2か月後、債権者から意見が出されることもなく、免責決定がなされました。
弁護士「無事に免責が認められましたので、これで負債はすべて免除されたことになります。破産手続きもすべて終了となります」
依頼者「本当にありがとうございました。借金が膨れ上がったときはどうしようかと本当に悩みましたが、弁護士さんにお願いしてよかったです。これからは借金なんてしないようにしていきます」
弁護士「いまはブラックリストにのってしまっているので、しばらくローンや借金はできないと思いますが、それが過ぎても慎重にされた方がいいですね。この数カ月の生活をそのまま維持されれば大丈夫だと思いますので、いらない心配かもしれませんが」
依頼者「いえ、気をつけます。このたびは本当にありがとうございました」
弁護士「また何かお困りの際は、お気軽にご連絡ください。こちらこそありがとうございました」
スムーズに進む場合の破産手続きの流れは、以上のようなものです。イメージをつかんでいただけましたでしょうか。
実際には、もう少し細かい説明ややり取りがありますし、お電話などでもう少し多く連絡をとることもありますが、流れとしてはそれほど変わりません。
ただ、前回説明したような、破産管財人が任命されるような事案では大きく異なる部分もありますが、大半の方は、今回見たような流れで進んでいくことになります。
実際の事例を見ていただいて、意外と簡単な手続きだと思われたのではないでしょうか。債務整理の経験がある弁護士が、適切に準備を行えば、破産手続きはそれほど大変な手続きではないのです。
しかし、申し立ての準備がずさんであったり、不十分であると、裁判所からの問い合わせが増えたり、破産管財人が選任されたりしてしまい、大変複雑なものとなってしまいますので注意が必要でしょう。
次回からは、破産手続きを進めるうえで問題となる点を順番に見ていきたいと思います。
札幌の弁護士が債務整理を解説 【債務整理に関する実践的情報一覧はこちら】
【債務整理】 破産手続きの流れを見てみよう
札幌の弁護士による債務整理解説コラム第3回です。
前回(借金が返せないときの解決方法は?)で予告しましたが、今回からはしばらく破産をする場合の問題を見ていきます。
今回は、破産の全体的な流れを見たいと思います。
自己破産という言葉はみなさんご存じと思いますが、破産状態である場合、破産手続きをとることで債務を免除してもらうことができます。
では、破産状態というのは、どのような状態でしょうか。
破産法という法律では、債務者が「支払不能」であるときに、破産手続きが認められることになっています。
この「支払不能」という言葉の意味も破産法に規定されており、「支払不能」とは、「債務者が、支払い能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態をいう」とされています。
少し難しい規定になっていますが、要するに、「現在も今後も、約束通りに借金を支払っていくめどが立たない状態」、ということです。
実際には、毎月の支払可能額よりも、約束の支払額が大幅に高くなっている場合や、返済が不可能なほどの高額の借金を抱えた場合などに破産状態となります。
そのような破産状態、支払不能状態になってしまったときは、破産を行うしか解決策がないことがほとんどです。
では、その場合、どのようにして破産手続きを行うのでしょうか。
破産の手続きは、大きく2つに分かれています。1つは破産状態の認定、財産の清算に関する手続きです。もう1つは、「免責」つまり債務の免除に関する手続きです。
前半を”破産手続き”、後半を”免責手続き”と呼んで説明します。
”破産手続き”の流れは、だいたい以下のようなものです。
① 裁判所に、破産申立書を提出し、審査を受ける。
② 裁判所は、債務者の提出した資料を検討し、破産状態、支払不能状態であるかを判断する。
③ 破産状態であると認められれば、裁判所は「破産開始決定」(以前は破産宣告といいました)を行います。
(④ 一定の場合、裁判所は破産管財人を任命して、債務者の財産状況の調査や清算を行わせます。)
(⑤ 調査や清算が終了すると、債権者集会を開いて、”破産手続き”を終了します。)
保有する財産がわずかな場合など、大半の事案では、①②③のみで”破産手続き”が終了します。
しかし、一定の場合は、④⑤という手続きに進むことになりますが、その際には破産手続きは複雑化・長期化してしまいます。
”破産手続き”が終了すると、今度は”免責手続き”が行われます。
”免責手続き”では、債務者が負債を抱えた事情などが確認され、債権者からも債務の免除を認めてよいかの意見を聴取します。
どういった場合に免責が認められないかは破産法で規定されていますが、大きな問題がない場合には、免責決定がなされます。
破産の目的は、債務の免除、つまり免責を得ることになります。
しかし、実際の手続きでは、債務の免除を認めてよいかが問題になることは多くなく、それよりも、保有する財産の清算手続きの方が大きな問題となります。
特に、上で説明したように、①②③のみで手続きが終わるか、破産管財人を任命して④⑤に進むか、といった点が実務的には重要となります。
実は、①②③だけで終わる場合には、ほとんどが書面審査のみで破産が認められています。つまり、裁判所に出席する必要もなく、破産を認めてもらえるのです。
その分、破産終了までの期間も短く、費用も少なくて済みます。
ところが、破産管財人が任命され、④⑤の手続きに進む場合には、裁判所へ出席したり、破産管財人と面談を行うなどの労力が必要となってきます。
しかも、その場合には破産申し立てから破産終了までの期間が半年から1年程度になることが多く、手続きが長期化するうえ、破産管財人の調査費用などを支払わばなければならないため、破産の費用も高額化します。
ですので、破産管財人が任命されるかどうかといった点が、破産希望者にとっては非常に重要な点となってきます。
では、どのような基準で振り分けが行われるのでしょうか。
基本的には、一定以上の財産があるかどうかで区別されています。
地域によって取扱いに差がありますが、札幌の場合には、20万円以上の価値がある財産を1つ以上保有しているか、で判断されます。
たとえば、ローンを完済し、売却すれば70万円程度の価値がある自動車を保有している場合や、解約すれば100万円の解約金が戻ってくる生命保険をかけている場合、住宅を所有し、ローンもある程度返済されている場合などには、破産管財人を選任することが避けられませんので、④⑤の手続きをせざるを得ません。
しかし、このような財産がない場合にも、破産管財人が任命されてしまう場合があります。
1つは、事業者、経営者の破産の場合です。事業者、経営者の場合、現在は手元に財産がなかったとしても、事業の内容や倒産に至る状況を精査したり、事業に関する財産が残されていないかを調査するために、破産管財人が選任される可能性が高くなります。
もっとも、事業の規模が大きくなく、十分な資料を提出できる場合には、破産管財人をつけないまま簡単な手続きで終了できることもあります。
もう1つは、申し立て時の資料や説明が不十分な場合や、債務を抱えた事情にあまりにも問題がある場合などには、調査のために破産管財人が選任されることがあります。
このような事案の場合には、もっと丁寧に調査・説明をしておけば、破産管財人を選任されずに済んだ、というケースも含まれています。申し立ての仕方が悪いために、余計な時間、余計な費用が生じてしまうことがあるのです。
破産手続きの流れをざっと見てきましたが、イメージはつかめたでしょうか。
実際の手続きでは、裁判所に破産を申し立てる時点で、ほぼ手続きは終了しています。申し立て時までの調査や資料の収集、申立書の作成までが破産手続きの山場であり、そこまでを適切に行えるかどうかによって破産の命運が決まるといってよいでしょう。
特に、事業者、経営者の場合や、不動産を所有している場合などは、事前準備によって破産がスムーズに進むかどうかに大きな差が生じてしまいます。
ですので、破産手続き、債務整理の経験が豊富な弁護士に依頼することが、非常に重要となってくるのです。
今回の話はわかりづらいところも多かったと思いますが、いかがでしょうか。
イメージを明確にしていただくため、次回は、実際の事例をもとに、破産の流れをシミュレーションしてみたいと思います。
札幌の弁護士が債務整理を解説 【債務整理に関する実践的情報一覧はこちら】
【債務整理】 借金が返せないときの解決方法は?
札幌の弁護士による債務整理解説コラム第2回です。
前回(借金をまったく返せない…ほうっておいてもいい?)、借金問題、債務問題は、弁護士に相談すれば解決できると述べました。
それでは、実際にはどういう解決方法があるのでしょうか。
債務整理には、大きく3つの解決方法があります。
1つは、任意整理という方法です。2つめは、個人再生、民事再生という方法、最後の3つめは、自己破産です。
それぞれメリットとデメリットがあり、詳しい説明は次回以降で取り上げますが、ここではおおまかに見ていきましょう。
任意整理というのは、要するに、債権者と個別に話し合いをして、返済条件をゆるやかにしてもらう、というものです。
たとえば、毎月3万円ずつ3年間返済するという約束のところを、毎月2万円に減額して4年あまりで返済する、という形へ条件変更をします。
またその際に、本来であれば発生する利息を免除してもらえる場合もあります。その場合には、返済総額が相当減ることになり、より緩やかな条件での返済が可能となります。
この方法は、現在の返済額は高すぎるが、もう少し返済額を減らしてもらえれば支払いができる、という方が利用します。
逆にいえば、多少減額してもらった程度ではどのみち返済できない、という方は難しいですね。
個人再生、民事再生というのは、非常に複雑な制度です。
簡単に説明すると、いま抱えている借金、債務のうち、合計100万円を3~5年間かけてしっかりと払いきれれば、残りの債務は免除されるという制度です(債務総額が500万円以内の場合の説明です)。
たとえば、現在、合計400万円の負債を抱え、毎月10万円程度の支払いを求められているとします。
この場合、個人再生を利用すれば、400万円のうち100万円だけを支払えばよいことになります。3年間で100万円を支払うというのは、毎月2万8000円程度を支払えばいいという計算です。
それを3年間支払った段階で、残りの300万円が免除され、借金はゼロになります。
この方法は、毎月3万円程度なら確実に支払えるという方に向いています。そして、この方法と破産の一番の違いは、個人再生の場合、住宅ローンの支払いを継続すれば、一定の条件のもとで、住宅を残すことができるという点です。
借金をすべては払えないけど、住宅だけはなんとか残したい、という場合、この個人再生が利用できるかを検討していきます。
最後の自己破産は、手持ちの財産を処分し、債権者に分配するかわりに、残った債務をすべて免除してもらうという制度です。
任意整理や個人再生でも解決できない、という場合には、この方法を選択することになります。
自己破産は、きわめて強力な効果があり、債権者には一円も払わないまま、免除を受けることすらできます。
その分だけ、手続きやルールが厳しく定められており、ルールに違反した場合には破産が認められないこともあります。
自己破産で問題になるのは、車や住宅は基本的に手放さなければならない点です。
個人再生のように、住宅ローンだけを支払っていくということもできず、住宅は手放し、引っ越ししなければならなくなります。
ただし、ローンが完済された車の場合、車の時価が20万円以内なら手放さずに所有できます。
そのほかにも細かいルールがありますが、それは次回以降に見ていきます。
借金問題、債務問題は、ほとんどがこの3つの方法で解決できます。
なお、これ以外にも、時効が成立したために解決する、ということもあります。
多くの借金は、5年間なにもやり取りがないと時効で消滅します。そのような場合、時効の通知を債権者に送付すれば、それで債務がなくなるのです。
ただし、債権者から裁判を起こされていた場合などには時効は使えないので、時効だけで解決することは多くはありません。
これまでの説明した方法の中から、適切な方法を選択し、解決をすることになります。
それでは、どの方法を選んだらよいのでしょうか。
それを判断するには、現在の生活状況、収支の状況、保有する財産などのほか、借金ができた事情などを詳しくお聞きすることになります。
だいたいの目安としては、
・借金総額を60で割った金額を毎月支払っていけるなら、任意整理を選択
(300万円の債務なら、60で割ると5万円ですので、毎月5万円以上返済できるかどうか)
・任意整理が無理な場合は、個人再生か破産かを選択
・毎月3万円程度の支払いが可能なら、個人再生を検討。住宅ローンを残したい場合や、借金の経緯に大きな問題がある場合も個人再生を検討
・毎月2,3万円程度の返済もできない状態(無収入など)では、破産を選択
などの基準があります。
ただし、実際にはもっと多くの基準で振り分けを行うことと、最終的には相談者の希望に沿った解決が必要になります。
ちなみに、当事務所に相談に来る方は、以前は任意整理により解決する割合が高かったように思います。
それは、長年、債権者が利息を多く取りすぎる状態が続いていたため、弁護士が交渉し、本来の利息で計算しなおした場合、債務が大幅に減額されることが多かったからです。場合によっては、すでに本当は債務を完済しており、払い過ぎの状態になっており、その過払い金を取り戻してほかの借金の返済にあてることもできました。
ですので、借金を長く抱えていた方は、ほとんどが任意整理により債務を完済することができました。
しかし、2010年6月以降は、そのような利息の取りすぎが法律で禁止されており、利息を払いすぎることはなくなりました。
それ以前の取引については、払い過ぎになっていることもありますが、武富士、SFCG、三和ファイナンスなどの貸金業者が相次いで倒産し、過払い金の取り戻しが難しくなったことなどから、債務の圧縮や過払い金の取り戻しが困難となりました。
ですので、10年前から借金があるという方は別ですが、ここ3,4年で借金をはじめてしまったという方は、もともと正しい利息しか払っていない可能性が高く、債務の減額は難しくなっています。
そういった事情のほか、不景気の影響や高い失業率のためもあってか、いまは個人再生や自己破産を選択する方が多くなっている印象です。
少し複雑な内容となってしまいましたが、債務整理の3つの方法をご理解いただけたでしょうか。
任意整理、個人再生、自己破産には、今回ご紹介したもののほかに、それぞれ、難しい問題や多くのルールがあります。
次回からは、まずはもっとも強力な手段である自己破産について、細かく見ていきます。
札幌の弁護士が債務整理を解説 【債務整理に関する実践的情報一覧はこちら】
【債務整理】 借金をまったく返せない…ほうっておいてもいい?
札幌の弁護士による債務整理解説コラム第1回です。
このブログでは離婚について連載し、離婚にまつわる法律問題を取り扱っている途中ですが、今回からは債務整理についても詳しく取り上げていきたいと思います。
債務整理の概要は債務整理・破産のページをご覧いただければと思いますが、ここでは、実際に債務整理を解決する際に問題となる点を、具体的に見ていきたいと思います。
さて、今回は、「借金をどうやっても返せないから、そのままほうっておいてもいい?」という問いを考えてみましょう。
そもそも債務というのは、支払い義務のことで、負債という言葉と同じ意味と考えてよいでしょう。
具体的には、銀行や消費者金融、サラ金からの借金を指すことが多いですが、クレジットカードの利用残高も債務に含まれます。さらに、自動車ローン、住宅ローンも債務にあたります。
相談に来られる方がよく見落としてしまうものとしては、お子さんの奨学金などの保証人としての責任があり、保証人の責任というのもご自身の債務になります。
保証人は少し特殊ですが、それ以外の借金、クレジットカード、ローンはどれも約束通りに支払う義務があります。
では、約束通りに支払わないとどうなってしまうのでしょうか。
約束の日に支払いをしなかった場合、すぐに銀行、サラ金、ローン会社など(これらを債権者といいます)から電話や手紙で支払いの督促が来ます。1回の遅れや数日の遅れであれば、債権者も納得し、特に問題が起きないことが多いと思います。
しかし、遅れが2度3度、あるいは数カ月にもなると、大きな問題が生じてきます。
まず、債権者からの督促が強力なものとなり、裁判・訴訟の予告、警告が届くようになります。
また、遅れが続くと、いわゆるブラックリストに登録されますし、債権者からさらに借り入れたり、カードを利用することが制限されてしまいます。
そのうえ、延滞が続くと、契約書にしたがって、高額の遅延損害金(延滞金)が発生し、遅延損害金も含めた全額の一括払いを求められてしまいます。
しかし、その時点で何カ月も滞納してしまっている方が、すぐに債務を全額支払ったり、遅延損害金を支払う余力があるとは思えません。
その時点で、債権者に事情を説明して支払いを待ってもらったり、親族に援助を受けたり、あるいは弁護士に相談に行くなど、なんらかの対応をしなければなりません。多くの方はなんとか解決に動きます。
ところが、もうどうにもならないと思いそのまま放置してしまう方もいます。また、いろいろ手を尽くしたものの、どうしようもなかったという方もいます。
そのような場合、債権者は、裁判所に支払いを求める裁判を起こしてきます。そして、借金をした方へ裁判所から呼び出し状が届き、裁判所で支払いの約束をさせられるか、裁判所から全額支払えとの命令を出されることになります。
その時点で支払いができればいいですが、それもできないままとなってしまうと、最終的には、裁判所の命令にもとづいて、財産の差し押さえをされてしまいます。
差し押さえは、預貯金や自動車などの財産を一方的に取り上げるほか、勤務先の給料を差し押さえることもできます。裁判所からの呼び出しを無視し、ほうっておいたところ、突然、勤務先に裁判所から給料差し押さえの書類が届いてしまい、勤務先から叱責を受けた、という方と何人もお会いしてきました。
どうやっても払えないからほうっておく、というのは最悪の方法です。
結局、給料は差し押さえられ、勤務先からは白い目で見られて、退職を求められることすらあるのです。
このような事態を避けるためには、どうすればよいのでしょうか。
それは、これ以上は正常な支払いが続けられない、と感じた時点で、すぐに弁護士に相談にするしかありません。
問題を先延ばしにしたり、身の回りのものを売却したりして目先の支払いを行っていっても、結局、すぐに行き詰ってしまうことは目に見えています。
この先、借金を全部返すあてがある、自信がある、というのであれば問題ありませんが、それが無理だと感じるのであれば、根本的な解決を行うしかないのです。
借金問題で苦しむ方は、弁護士に相談に来る直前が、もっとも不安で、もっとも苦しい時期です。
弁護士に相談さえすれば、必ず解決する方法を見つけることができるのです。
いまは多くの弁護士が、債務整理の相談は無料で行っています。ひとりで悩むよりも、30分ほど時間をとって相談を受ければ、それで心が一気に軽くなりますよ。
なお、いまは昔とは異なり、借金を滞納しても、債権者が自宅や勤務先に押し掛けたり、近所に聞こえるように大声で取り立てを行う、ということはまずありません。督促といっても、電話と手紙が来るだけです。
ですので、電話番号を変えたり、引っ越して住民票を移さないなどの方法で、請求をやり過ごしてきた、という方もいます。
この方法は当面の請求を避けるということでは確かに効果的といえる部分もあります。
しかし、いつまでも住民票を移さないまま、生活をしていくのは不便ではないでしょうか。また、いつまでも解決しないまま、債権者から隠れるように過ごすことは大変ではないでしょうか。
債権者は、滞納者の住民票を定期的にチェックしています。こっそり引っ越して3年後、住民票をこっそり今の住所に移したとしても、債権者はそれを確認しますので、また請求書が届くようになってしまいます。
また、何も債務の処理がされないままですので、相談者の中には、15年前の借金がまだブラックリストに登録されたままで、いまでもローンが組めない、という方もいました。
こういった不都合を考えると、やはり根本的な解決が必要です。
それでも、弁護士に相談できない方は少なくありません。
理由を聞きますと、借金したことをひとに話したくないとか、借金の理由がプライベートなものなので隠したいという方、あとは家族や会社に知られたくないから誰にもいえないなど、やはりそれなりの理由があるようです。
しかし、これまで多くの債務整理を扱ってきた弁護士から見れば、これらの理由はすべて勘違い、思い込みです。実際には、このような心配は必要ないのです。
当事務所では、これまで、毎年何十人もの借金に関するご相談を受けてきました。当事務所の弁護士にとって、借金の相談は、日常的な事柄です。しかも、相談の内容を他人にもらすということは絶対にありません。
また、たとえば相談に来た方が、「同居の夫にも内緒で破産したいんです」と希望されることもあります。毎年1,2人はこのように希望する方がいますが、ほとんどの方が、最後まで夫にも知られないまま破産を終えています(家族に知られた方もいましたが、これは、隠すのがつらくなり、ご自分から告白した方でした。最後まで隠そうとしたのにばれてしまった、という方はこれまでいませんでした)。
家族にさえ知られないのですから、勤務先や友人らに知られることはまずありません。
「破産したら戸籍にのってしまう」「選挙権がなくなってしまう」というのも、ただのデマです。そのようなことはありません。
いまだに、多額の借金に悩み、命を絶ってしまう方も少なくありません。
そこまでいかなくとも、借金返済のために何かを犠牲にしたり、犯罪に手を染めてしまう方もいます。
けれども、本当はそんな必要はありません。ただ弁護士に相談さえすれば、解決の方法が必ず見つかるのです。
もし借金に悩んでいるなら、すぐにご相談ください。解決への道をお示しします。
さて、今回は借金問題を放置してはいけない、ということをお話ししました。
次回は、それならどうやって解決したらいいのか、についてみたいと思います。
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弁護士に依頼するタイミングと報酬は?
札幌の弁護士による離婚解説コラム第7回です。
前回(離婚調停と離婚裁判の流れを見てみよう)までは離婚についての法律的な問題についてみてきました。
今回は少しテーマを変えて、離婚を弁護士に依頼すべきか、依頼するとしたらそのタイミングはどうすべきか、を見ていきたいと思います。
現在は離婚する夫婦も数多くおり、みなさんの周りでも離婚を経験した方がいるかと思います。
しかし、ほとんどの場合、お互いの話し合いで離婚を合意し、離婚届を提出するという協議離婚で離婚することになります。
離婚すべきかという点や、親権、財産分与などでそれほど意見の対立がない場合は、そのようにスムーズに離婚成立となり、そのような場合に弁護士が表に出ることはまずありません。
ただ、このような場合でも、離婚するにあたって離婚の際の注意点などを弁護士に相談に来られる方は、実は相当いるのです。
そのような場合は、弁護士は相談者にアドバイスをし、今後の行動を助言しますが、正式に依頼を受けて相手と交渉を行うということはなく、相談者の方からは毎回の相談料のみをいただいています。
比較的、お互いの対立の程度が軽い場合には、それで十分だと思います。
しかし、話し合いで解決できず、離婚調停にまで発展すると、ご本人だけで対応していくことはかなり難しくなってきます。
実際のところ、離婚調停は、弁護士に依頼せずにご本人で対応している方も相当います。お互い、弁護士に依頼しないという形がスタンダードとさえいえるかもしれません。
家庭裁判所の調停委員も、そのような状況に慣れていますので、当事者に調停の仕組みを説明してくれますし、必要な情報や資料も整理してくれます。ですので弁護士がいなくても、調停は問題なく進行していき、解決に至ります。
ところが、弁護士に依頼をしないで調停成立した方が、後日、「わけがわからないまま、調停委員に言われたとおりに調停成立させてしまった。自分はそんなつもりじゃなかった。」と嘆いて相談にいらっしゃるということが実際にあるのです。
しかも、それは一人、二人の話ではなく、これまでに何度もそういった相談を経験しています。
この相談者の方々も、調停の手続きは説明を受けてなんとなくは理解しており、離婚調停が成立した際も、調停調書の内容を確認して「それで結構です。」と承諾しているのです。
それなのに、どうしてこういった事態が生じているのでしょうか。
一番の原因は、離婚に関する法律的な知識・経験がないため、専門的知識のある調停委員・裁判所の言葉に反論できず、つい従ってしまうからです。
調停委員にもそれぞれ個性があり、親切に説明してくれる方もいれば、あまり説明が上手でない方もいます。しかし、それでも離婚に関する経験は相当豊富です。
たとえば、知識のない当事者が、経験豊富な調停委員から、「この場合は慰謝料請求は難しいから、解決のためにあきらめた方がいいと思いますよ」「親権は母親が得るのが常識なので、親権を争うよりも面会交流の条件を話し合った方が得でしょう」などと言われたとしましょう。
調停委員の言葉に納得がいかないとしても、「専門家がそういうならしょうがないか」とか「とりあえず調停委員の指示に従って、後からまた考えよう」などと考え、調停委員の提案に反対しづらいのではないでしょうか。
そうして、流されるまま調停が成立してしまうと、もう後からそれをひっくり返したり、話し合いをやり直したりということは認められないのです。調停が成立してしまうと、そこですべて解決済みということになるのです。調停成立には、それほど重要な意味があります。
しかし、人生の中でももっとも重要な出来事の1つである離婚を、そのようなあいまいなまま解決してしまってよいのでしょうか。後になって、やっぱり調停の場でこれを主張しておけばよかった、と後悔するのは、大変残念なことです。
それを避けるためには、調停にのぞむ際には、自身も離婚に関する法律知識を十分に身に着けておく必要があります。
ただ、離婚問題は、夫婦によってさまざまです。市販の本をみても、あなた方夫婦の場合について説明した本はありませんし、財産分与や親権問題となると、少し本を読んだだけではほとんど理解できないほど複雑です。
そのため、適切な知識を得、アドバイスを受けるには、やはり調停に出席する前に弁護士に相談するべきです。
弁護士に依頼し、調停に出席してもらうべきかは、事案によって異なると思います。相談の際のアドバイスだけで十分対応できる事案も少なくありません。
しかし、財産分与が複雑であったり、親権について激しい対立がある場合、離婚原因(不貞行為など)が強く争われる場合などは、調停の段階から弁護士が参加する必要が高いといえます。これらは単なる話し合いでは解決が難しく、法律的な知識を使って、自分の主張が正しいことを証明しなければならないからです。
そのためには、調停委員に対してこちらの言い分を十分に伝え、適切な根拠を示す必要があります。うまく説明できなかったり、適切な根拠があげられないと、調停委員が判断を誤るかもしれません。
ですので、弁護士が依頼者とともに出席して、調停委員を直接説得する必要が高くなります。
また、複雑な事案では、弁護士と協議しながら依頼者自身も知識を深めていく必要がありますので、そういった意味でも弁護士への依頼が効果的となります。
特に、相手が弁護士に依頼している場合には、自身も弁護士を立てて対抗しなければ対応が難しいでしょう。
また、離婚という大変なトラブルを抱えている間、すべてを一人で判断し、対応していくというのは心身ともに大きな負担となります。
そのようなときに、事情を理解し、ともに歩む弁護士がいれば、そのような負担も軽くなることでしょう。
そういう目的で弁護士を依頼する方も多くいらっしゃいます。
なお、調停では解決せず、離婚訴訟にまで進行した場合、もはやご自分で対応できる段階ではありません。
訴訟では、裁判所は手続きを親切に説明してくれるわけではありません。自分の主張を自分で証明しなければ、負けてしまうのです。
訴訟段階でも弁護士に依頼しないままでは、裁判の流れもわからないうちに判決が出て終わってしまう、ということすらあるでしょう。
ここまでを整理すると、まず、調停が始まる段階では、必ず弁護士に相談だけでも行い、知識とアドバイスを受けることが不可欠です。
その際に、内容が複雑であると感じたり、自力での対応が難しいと思った場合には、調停への対応を弁護士に依頼すべきでしょう。
反対に、弁護士のアドバイスを受けて十分だと思えば、特に依頼する必要はありません。調停の進み具合に応じて、また相談に行くなりするだけで足りると思います。
調停が不成立になり、訴訟を行う場合には、必ず弁護士に依頼すべきです。一度訴訟で負けてしまったら、あとからひっくり返すことはできません。不成立が見込まれる場合には、その前の段階で相談だけでもしておくべきでしょう。
さて、それでは、実際に弁護士に依頼する場合、着手金、報酬などの弁護士費用はどれくらいかかるでしょうか。
日本弁護士連合会のアンケートや、法律事務所のウェブサイト等を確認してみると、離婚調停の場合、着手金として20~30万円程度、離婚成立時に成功報酬として20~30万円程度、さらに慰謝料や財産分与の請求があれば、着手金・成功報酬が上乗せ、という基準が多く目につきます。
当事務所では、離婚手続については、基本的に、着手金を15~30万円、報酬金を0~20万円と定めています(いずれも税別)。手続の種類や争点の内容などによって多少の幅を持たせています。
ただし、慰謝料や財産分与としてまとまった金銭を相手から受け取った場合の報酬金は、受領額の10%を基本としています。
なお、着手金が一括で用意できない場合に、一定の条件をクリアすれば、分割払いや「法テラス」による立替援助(融資のようなものです)を受けることもできます。
当事務所では、ご相談のときに、依頼をお受けした場合の弁護士費用の金額をあらかじめお示しし、ご依頼前に契約書を作成して金額を取り決めています。
そのため、弁護士費用の額を確認してからご依頼されるかをご検討いただいていますし、ご依頼の場合には、事前に書面で取り決めた以外の費用を頂戴することはありません。
離婚にお悩みの方にご安心してご相談・ご依頼をいただくことができるよう対応しております。
かなり長文になりましたが、離婚は人生の一大事ですので、不安や後悔を抱えるよりも、弁護士に相談・依頼して安心されてはいかがでしょうか。
さて、次回からは、離婚時の子どもに関する問題を取り上げます。親権、養育費、面会交流など多くの問題がありますので、順番に説明していきたいと思います。
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離婚調停と離婚裁判の流れを見てみよう
札幌の弁護士による離婚解説コラム第6回です。
さて、前回(離婚調停・裁判はどこの裁判所で行うの?)は離婚調停はどこの裁判所に起こすか、を説明しました。
それでは、実際に調停を申し立てた場合、実際はどのような流れで進むでしょうか。
離婚調停は、裁判所では「夫婦関係調整調停」という呼び方をします。離婚をする場合もあれば、離婚をせず、円満に復縁するケースもあるからでしょう。
調停の申立てには、裁判所でもらえる書式に必要事項を記入し、戸籍などの必要資料を添付して、家庭裁判所に書類を提出する必要があります。
調停を申し立てた後は、第1回目の調停の日時が指定され、その日に出席するよう指示されます。
調停は、家庭裁判所の調停室で行います。
裁判所は、事件ごとに裁判官1名と、有識者から選ばれた調停委員2名(男女1名ずつ)の担当者を決定します。ただ、裁判官が調停の場に直接出てくることはあまりなく、ほとんど調停委員2名で調停を実施することになります。
調停の場では、実は相手と直接顔をあわせたり、話し合ったりということはほとんどありません。
調停を開く際は、まずお互いが控え室で待機し、片方だけが調停室に呼ばれます。そこで、調停委員に事情や言い分を説明したり、質問に答えたりします。
それが一段落すると、今度は控え室に戻され、相手だけが調停室に呼ばれます。そして、相手も同じように調停委員と事情確認などをしていきます。
このように、調停の当事者は、調停委員と話をするだけで、相手本人と顔をあわせることはほとんどありません。
第1回目の調停を開始する際や、調停が円満に解決する時などに同席することもありますが、その程度です。
相手本人と顔をあわせませんので、相手に気兼ねなく、思ったことを伝えられるという面もありますし、調停委員という第三者と話をしていくことで気持ちを整理し、冷静に話し合いを進められることもあります。
まわりくどいと思う方もいるかもしれませんが、そもそも当事者同士では解決できない事件が持ち込まれますので、全く違うやり方を試すというのは効果的といえるではないでしょうか。
そのように、お互いが調停室に出たり入ったりし、切りの良いところで1回目の調停が終わります。
次回までに双方に資料の提出や検討事項が指示され、次回の日程を伝えられます。
だいたい、1ヶ月に1回のペースで進みますので、調停と調停の間は空きますが、冷静に物事を考えるにはちょうど良い期間かもしれません。
離婚調停が1回で終わるということはほとんどなく、3回程度で終われば相当スムーズだといえますし、だいたいの事案は5回程度の調停を重ねることが多いといえます。
1回の調停は2~3時間程度かかることが多いですが、そのうち半分程度は相手が調停室に入る時間であり、待ち時間ということになります。
ちなみに、ただ待つのも大変ですので、時間つぶしの本などを持参する方も見かけます。
ある程度事情の確認や話し合いが進み、お互いの折り合いがついたところで、調停成立となります。
調停成立となれば、合意した内容を裁判所が調停調書という公文書に記録します。この合意を破った場合には、すぐに強制執行を行えるという極めて強力な合意ですので、一度合意が成立すれば、それを守ることが強く求められます。
反対に、何度か調停を行っても妥協点が見いだせない場合には、調停は不成立となり、調停手続きが打ち切られてしまいます。
調停では解決できなかった場合は、離婚裁判・離婚訴訟を行うしかありません。
調停が不成立に終わってしまったときは、家庭裁判所に訴状という書類を提出し、訴訟の提起をすることになります。
調停と裁判・訴訟は全く別の手続きで、離婚訴訟では、調停委員はおらず、裁判官1名が担当します。
そして、調停のように話し合いや協議の場というよりは、証拠で自分の主張を立証していき、勝ち負けを決める、という場になります。
そのため、調停の場合に比べて手続きが難しく、弁護士を依頼しないで乗り切るには相当の苦労があります。
ちなみに、調停は、相手の自宅住所近くの裁判所で行わなければならない、ということを前回述べました。ところが、離婚訴訟は自分の住所近くの裁判所で行っても、相手の住所近くの裁判所で行っても、どちらでも良いことになっています。
それなら最初からどちらの住所でも良いとしてくれれば楽だと思いますが、法律でそう区別されているのでどうにもしがたいところです。
離婚裁判、離婚訴訟は、途中で話し合いによって解決することもありますが、そうならない限り、最後には裁判所の判決によって終了します。
判決には強制力がありますので、不満が残ったとしても、お互い、それを受け入れることになります。
ただ、そこまで行くと、調停から判決まではどれほど短くても1年程度はかかりますし、家族間の問題を判決で白黒つけるというのは、どうしてもその後の関係にも影響が出てしまいます。
弁護士としての経験上では、調停・和解で解決する事件の方が多いですし、そのような事件の方が当事者の納得度も高いと感じています。
駆け足になりましたが、おおまかな調停・裁判の流れはこのようなものになります。
次回にもお話したいと思いますが、弁護士としては、調停の前の話し合いから関与するケース、調停段階から関与するケース、裁判段階から関与するケースのどの場合もよく経験します。
ただ、スムーズな解決のためには、早い段階から関与していた方が良いと感じることが多く、裁判段階から依頼を受けた場合には、調停の段階で依頼を受けていればもっと良い形で解決できただろうと思うことも少なくありません。
弁護士に依頼するかは別としても、少なくとも第1回目の調停がはじまるまでには、必ず弁護士に相談することで良い方向に進むと感じています。
さて、次回は少し方向性を変えて、離婚問題を弁護士へ依頼するべきか、を取り上げます。
着手金、報酬なども触れていきたいと思いますので、ぜひご覧ください。
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